胆石症

疾患概要

胆石症は、胆汁の通過する胆道系に結石が形成される疾患の総称であり、結石の部位により胆嚢結石症(70~80%)、総胆管結石症(10~20%)、肝内結石症(1~4%)の3つに大別されます。肥満人口の増加やアルコ-ル消費量の増加など胆石形成因子の動向から胆石保有率は増加しています。

原因・症状

脂質異常症、食生活習慣、胆嚢機能低下、腸管機能低下が胆嚢結石形成に関連しています。
ほとんどは症状のない無症状胆石です。胆嚢結石の場合、結石が胆嚢管に引っかかって胆嚢内圧が上昇すると心窩部痛、右上腹部痛や背部痛を自覚することがあり、「胆石発作」といいます。胆石発作の痛みは比較的、鈍痛が多く食後、特に夕食後や夜中に脂肪分を摂取した際に起きやすいのが特徴的です。心窩部痛の軽症例では、胃の痛みと認識されることもあるので注意を要します。結石が胆嚢管に嵌頓した場合は、発熱やより強い右上腹部痛を認め、急性胆嚢炎と診断されます。その際は、緊急処置や緊急手術を要することが多いです。

検査

採血で肝障害を契機に胆石症と指摘されることや、腹部超音波で診断されることが多いです。必要に応じてCT検査やMRI(MRCP)検査で胆石症の診断を行います。総胆管結石症の場合は、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)で診断、及び治療を行います。

治療

原則的に無症状胆石は、経過観察でよろしいです。胆石発作を起こした方や有症状の胆石症は、治療の適応になります。手術での治療が一般的であり腹腔鏡下手術(開腹手術)を行います。総胆管結石症は、原則ERCPで治療を行いますが、内視鏡治療で砕石困難な総胆管結石症や肝内結石症は、手術を要することがあります。

対象の診療科